专利摘要:
シート及びマスターツールからシートを形成する方法について述べる。シートはシートの上又は下に浮遊する合成画像を有する。本方法は、微小レンズの第1のアレイ及び微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合性の第1の材料層を有する第1のシートを与える工程を含む。別の工程は、第1のシートを放射光源に曝露することによって第1の材料層中に複数の重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程であって、第1の構造領域の少なくとも一部が第1の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、第1の構造領域のそれぞれが微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられるような工程である。更なる別の工程は、複数の第1の構造領域を、複数の構造領域に形状適合する物質を用いて複製することによって多数の複製された構造領域を有する第2の材料層を形成する工程である。
公开号:JP2011505595A
申请号:JP2010536047
申请日:2008-11-10
公开日:2011-02-24
发明作者:ウェトゼルス,セルジュ;ティー. クラサ,ロバート;ジェイ. ゲイツ,ブライアン;エル. ポッツ,トラビス
申请人:スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー;
IPC主号:G02B27-22
专利说明:

[0001] 本発明は、シートに対して空間に浮かんでいるように観測者によって知覚される1以上の合成画像を与えるシート、こうしたシートを製造するための方法、及びこうしたシートを製造するためのマスターツール構造に関する。]
背景技術

[0002] 図柄又は他の標示を有するシート材料が、特に物品や文書を認証するための標識として広く使用されてきた。例えば、米国特許第3,154,872号、同第3,801,183号、同第4,082,426号、及び同第4,099,838号に述べられるようなシートは、車のナンバープレートの証明シール、並びに運転免許証、公文書、カセットテープ、トランプ、飲料容器などのセキュリティーフィルムとして使用されてきた。他の用途としては、警察、消防又は他の緊急用車両の識別目的の用途、広告及び販促ディスプレイにおける用途、及びブランド名を強調するための特徴的なラベルとしての用途が挙げられる。]
[0003] 画像付与されたシートの1つのタイプが米国特許第6,288,842号及び米国特許第7,068,434号に開示されている。これら2つの特許は、合成画像を有する微小レンズシートであって合成画像がシートの上若しくは下又はその両方に浮かんでいるような微小レンズシートを開示している。合成画像は2次元又は3次元的なものでありうる。微小レンズのアレイに入射するレーザーが、放射光感光性コーティングが施されたアレイの裏側に集束される。微小レンズアレイの裏側に材料が転写される場合、米国特許出願公開第2007/0081254号に述べられるような他の微小レンズシートが形成される。]
[0004] これらの従来開示されている方法はいずれも、合成画像を有するそれぞれのシートを形成するうえでレーザー又は他の放射光源からの放射光の使用に依存している。]
[0005] 米国特許第5,712,731号「紙幣及びクレジットカードなどのセキュリティー文書用のセキュリティー装置」(Security Device for Security Documents Such as Bank Notes and Credit Cards)(ドリンクウォーター(Drinkwater)ら)は、ほぼ球状の微小レンズの対応するアレイを通じて見た場合に拡大された画像を生成する微小画像のアレイを有するセキュリティー装置を開示している。場合により、微小レンズのアレイは微小画像のアレイに接着される。]
[0006] 国際特許出願公開第WO 03/061983 A1号「物品の識別のための微小光学要素」(Micro-Optics For Article Identification)は、数マイクロメートルよりも大きな表面レリーフを有する非ホログラフ微小光学要素及び微小構造を用いた識別及び偽造抑止のための方法及び組成物を開示している。]
課題を解決するための手段

[0007] 一実施形態では、マスターツールからシートを形成する方法について述べる。本方法は、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合性の第1の材料層を有する第1のシートを用意する工程を含む。更なる工程は、前記第1のシートを放射光源に曝露することによって前記第1の材料層中に重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程である。第1の構造領域の少なくとも一部は他の第1の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、第1の構造領域のそれぞれは前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる。更なる工程は、前記多数の第1の構造領域を、構造領域に形状適合する物質を用いて複製することによって複製された構造領域を有する第2の材料層を形成する工程である。]
[0008] 別の実施形態では、シートの上又は下に浮遊する合成画像を有するシートを形成するためのマスターツールについて述べる。本マスターツールは、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合した第1の材料層を有する第1のシートを備える。光重合した材料は、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露することによって重合する。前記第1のシートは、前記第1の材料層中に重合した構造領域を有する。前記構造領域の少なくとも一部は他の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、構造領域のそれぞれは前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる。]
[0009] 別の実施形態では、マスターツールを使用してシートを形成する方法について述べる。本方法は、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合性の第1の材料層を有する第1のシートを与える工程を含む。光重合性材料は、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露することによって重合する。本方法の更なる工程は、前記第1のシートを放射光源に曝露することによって前記第1の材料層中に重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程であって、前記第1の構造領域の少なくとも一部が他の第1の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、第1の構造領域のそれぞれが前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられるような工程である。更なる別の工程は、多数の第1の構造領域を、その多数の構造領域に形状適合する物質を用いて複製することによって多数の複製された構造領域を有する第2の材料層を形成する工程である。]
[0010] 別の実施形態では、複数の微小レンズの第1のアレイと、複数の構造の規則的なアレイとを有するマスターツールについて述べる。各構造は前記微小レンズの1つと関連付けられ、前記構造の少なくとも一部は他の構造の少なくとも一部と共通の部分形状を有する。前記構造間にはほぼ平坦な領域が存在し、そのほぼ平坦な領域内における形状物の高さの変化は100ナノメートル以下である。]
[0011] 更なる別の実施形態では、可視又は赤外放射光を使用するフォトリソグラフィープロセスは、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズに隣接した光重合性の第1の材料層をを与える第1の工程を含む。別の工程は、前記第1の材料層を、可視又は赤外放射光源に曝露する工程である。更なる工程は、前記光重合性の第1の材料層を現像することによって前記第1の材料層中に多数の重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程である。前記第1の構造領域の少なくとも一部は他の第1の構造領域の一部と共通の部分形状を有する。前記第1の構造領域のそれぞれは前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる。前記多数の第1の構造領域の少なくとも1つの形状物の寸法が100ナノメートル以下である。]
[0012] 本願のこれら及び他の態様は下記の詳細な説明から明らかとなろう。しかしながら、いかなる場合においても、上述された概要は特許請求される発明の主題に対する限定としてみなされるべきではなく、発明の主題は、手続きにおいて補正される可能性のある付属の特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。]
図面の簡単な説明

[0013] 微小レンズのアレイ及び光重合性材料を有するシートの拡大断面図。
個々の微小レンズに隣接した材料層内に記録されたサンプル画像を示す、微小レンズシートの一部の平面図であり、記録された画像が合成画像の完全な複製から部分的な複製にわたっている様子を更に示している平面図。
交差するリングの合成画像を与えるように露光された重合性材料で形成された放射線感受性材料を有する微小レンズシートの写真図であり、一方のリングがシートの上に浮遊して見え、一方のリングがシートの下に浮遊して見える微小レンズシートの写真図。
部分的に完全な構造のアレイを有する図3の微小レンズシートの一部の走査電子顕微鏡(SEM)画像。
1つの部分的に完全な構造を示す、図4の微小レンズシートの一部の平面図からのSEM画像。
図5の1つの部分的に完全な構造の斜視図からのSEM画像。
微小レンズのアレイ及び光重合性材料を有するシートに入射する放射光の拡大断面図。
放射光を生じ、マスターツールを形成するためのレーザーシステムの概略図。
本発明に基づく、シートの上に浮遊して見える交差するリングの合成画像を与える、複製された微小レンズシートの一部のSEM画像。
幾つかの部分的に完全な構造を示す、図9の微小レンズシートの一部の平面図からのSEM画像。
1つの部分的に完全な構造を示す、図9の微小レンズシートの一部の斜視図からのSEM画像。
本発明に基づく、シートの上に浮遊して見える、ボックス内の交差するリングの合成画像を与えるように露光された1光子重合性材料を有する微小レンズシートのSEM画像。
1つの部分的に完全な構造を示す、図12の微小レンズシートの一部の斜視図からのSEM画像。] 図12 図3 図4 図5 図9
[0014] 本明細書の全体を通じて付属の図面を参照されたい。図中、同様の参照符合は同様の要素を示すものである。]
[0015] 本発明は、シートに対して空間に浮かんでいるように観測者によって知覚される1つ以上の合成画像を与えるシートに適用される。合成画像は、多数の微小レンズに付随する個々の構造の形状の組み合わせ又は重ね合わせである。この種の光学アセンブリは、物品又は文書を認証するための標識との関連において特に有用である。]
[0016] 本発明の微小レンズシートの一実施形態は、シートの上、シートの平面内、及び/又はシートの下に浮かんでいる、すなわち浮遊しているように見える、多数の微小レンズに付随する個々の構造によって与えられる合成画像を提供する。微小レンズシート10の一例を図1に示し、ここで更に説明する。微小レンズシートは、基板13上に形成された微小レンズ14のアレイを有している。基材13に隣接して光重合性の材料の層16が設けられている。] 図1
[0017] 合成画像を形成する微小レンズの幾つかの例が、例えば米国特許第7,068,434号に述べられている。米国特許第7,068,434号に述べられる形成方法では、微小レンズシートを放射光に曝露することによって個々の微小レンズに付随する部分的に完全な画像のアレイを形成する。図2は、こうした部分的に完全な画像のアレイの一例を示したものである。この微小レンズのアレイを通じて観測者が部分的に完全な画像又は構造のアレイを見ると、合成画像がシートの上、シートの平面内、及び/又はシートの下に浮かんでいる、すなわち浮遊しているように見える。] 図2
[0018] 合成画像は部分的に完全な個々の構造の形状のすべてのものを組み合わせるか又は重ね合わせたものである。部分的に完全な構造はそれぞれ、合成画像と共通する少なくとも1つの形状部分を有している。図2に示されるように、部分的に完全な構造の多くは他の部分的に完全な構造と形状の一部が共通している。1つの角から別の角までの対角線を有する長方形である図2の中央の構造は、これを囲む各部分的に完全な構造を組み合わせることによって形成される合成画像と同一の形状を有する完全な構造である。] 図2
[0019] シートの平面の下に浮遊する画像は沈み込み画像としばしば呼ばれる。しかしながら、用語「浮遊する」は、本明細書の説明においては、画像がシートの平面の下に沈み込む場合、画像がシートの平面の上に浮遊する場合、及び画像がシートの平面内に浮遊する場合に用いられる。画像によっては、一部がシートの平面の上に、一部がシートの平面の下となるように見えるものもある。画像の特定の部分がシートに対して表わされている場合、これも「浮遊する」なる用語の使用とともに述べられるものである。]
[0020] 米国特許第7,068,434号に述べられる形成方法では、各シートは個別に形成される。所定の合成画像を有するシートを形成しようとするその都度、放射光を適用する。一般的な放射光源はレーザーである。シートを放射光に曝露する過程では、シート又はレーザーを動かすことによって所望の形状の合成画像を形成する。シートを形成するためのより低コストの方法が求められている。]
[0021] こうした要請に応えるためシートの新規な製造方法が開発された。この新規な方法は、形状適合性材料を使用する低コストの微小複製技術を利用したものである。最初に、光重合性の材料層でマスターシートを形成する。マスターシートを形成するには、シートを放射光に曝露することによって第1の構造領域のアレイを形成する。次いで形状適合性材料を使用してこのシートを複製することにより、複製された構造領域のアレイを有する第2の材料層を形成する。第2の材料層を微小レンズのアレイと接合することによって、合成画像がシートの上、シートの平面内、及び/又はシートの下に浮かんでいる、すなわち浮遊しているように見える第2のシートが形成される。この合成画像は、第1の構造領域の形状を組み合わせたものである。この改良された製造方法では、マスターシートの形成過程において、放射光源にシートを曝露し、レーザーに対してシートを正確に動かすだけでよい。これらの工程は、マスターシートから更なるシートを形成するためには必要とされない。]
[0022] 図3は、シートの一実施形態によって形成される、長方形の内部で交差する円の合成画像30の写真である。図4は、部分的に完全な構造のアレイを有する図3の微小レンズシートの部分32を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像であり、図5及び6は、図3のシートの部分的に完全な構造の1つのみをそれぞれ上面図及び斜視図で示したものである。] 図3 図4 図5
[0023] 新規な方法では、レジスト材料層の光重合を利用して部分的な構造領域を形成する。特定の実施形態では、本明細書で更に述べるように、2光子重合法を用いて鮮明かつ明瞭な構造領域を形成する。この方法では、1光子重合法と比較してマスターシートの構造領域がより精密であるため、複製される構造領域は形状物の幅が狭い明確なものとなる。]
[0024] 図4〜6の微小レンズシートは構造領域40を有しており、その多くは合成画像30と比較して部分的に完全な構造である。特定の実施形態では、各構造領域40の間にはほぼ平坦な領域42が存在する。特定の実施形態では、ほぼ平坦な領域42内では形状物の高さの変化は100ナノメートル以下である。構造領域すなわち構造40の群は最大の構造高さを有する。特定の実施形態では、ほぼ平坦な領域42内には最大の構造高さの10%以上の高さを有する形状物は存在しない。狭い形状物の幅は図4〜6に明らかである。特定の実施形態では、構造領域の少なくとも1つの寸法は100ナノメートル以下である。形状物の寸法の例としては、構造40の部分の幅、高さ又は長さの測定値が挙げられる。例えば、図6の構造40の隆起部44のような隆起部の最も狭い幅は、一実施形態では、100ナノメートル以下である。] 図4 図5 図6
[0025] 本発明の完全な説明を与えるため、マスターシートを形成するための例示的なプロセス及び装置を下記パートIに述べ、次いで光重合性材料の説明を下記パートIIに、微小レンズシートの構成及び基板層の説明を下記パートIIIに、放射光源及びシステムの説明を下記パートIVに述べる。微小複製プロセスについてはパートVに述べる。パートVIでは、本発明の異なる実施形態を更に説明するための幾つかの実施例を更に示す。]
[0026] I.マスターシートを形成するためのマスターシート及び装置の形成
マスターシートを形成するための例示的な一プロセスでは、レーザーからの平行化された光をレンズを通じて微小レンズシートに向けて偏向する。浮遊画像を有するシートを形成するためには、発散又は収束光の円錐を形成するように光をレンズに透過させる。0.3以上の大きな開口数(NA)を有するレンズを使用することによって発散光の円錐が形成される。]
[0027] 図1及び7に示されるようなシート10の一実施形態は、第1の側面20上に微小レンズ14が形成され、第2の側面12上に光重合性材料層16が形成された基板13から構成されている。図7は、シート10の一部の拡大断面上に入射する発散光を示したものである。] 図1 図7
[0028] シート10の材料層16側は、光の円錐軸(光軸)がシートの平面と直交するように微小レンズから遠ざかる方向に配置されている。]
[0029] 微小レンズのアレイ14は個々の微小レンズ22を含んでいる。各微小レンズ22の焦点が材料層16内にあり、放射光が材料層の化学変化を引き起こすだけの充分なエネルギー及び強度のものである場合、重合反応により形成された形状物が後に材料層を現像した後に残ることになる。図7に示されるように、放射光60の焦点62が基板/材料層の界面12上又はその近傍にあることによって、重合した領域は基板に接着したままとなり現像時に洗い流されない。] 図7
[0030] 図8は、放射光を生じ、マスターツールを形成するための放射光システム70の一実施形態を示す概略図である。マスターシートを形成するためのレーザーシステム70及び方法のこうした実施形態を以下に述べるが、放射光源、放射光システム、シートの構成、及び加工処理工程の他の実施形態については本明細書で後に続く項において述べるものである。レーザー72、シャッター74、及び可変出力制御部76によって放射光はビームエクスパンダー78に向けられる。レーザー72の出力は対物レンズ84の焦点の高さに対して連続的に変化させられる。浮遊/沈み込みの高さが増大するにしたがって次第に高い出力が必要とされる。光強度の範囲は減光フィルターホイール80を使用して更に制御することができる。ビームエクスパンダー78及び可変開口部82を使用して、画像の視野角に最終的に影響を及ぼす、レンズアレイ上に入射する光を集束させるために用いられる非球面対物レンズの開口数(NA)を制御する。一般的なビームの直径は約12mmである。対物レンズ84は、画像形状物の浮遊/沈み込みの高さを変化させるために画像の書き込み時に対物レンズ84とシート90との間の距離を変化させるZ軸ステージ86上に配置される。シート90は、画像を描くために動かされるXYステージ上に配置される。] 図8
[0031] マスターシートを形成するための一実施形態の工程を、基板を用意することから以下に説明する。本明細書で更に考察するように、この実施形態の方法の工程及び材料には多くの変形例が可能である。微小レンズを形成するには、基板13の第1の側面20をウレタンメタクリレートなどの微小レンズ材料でコーティングする。基板の第2の側面12は重合性材料層でコーティングする。微小レンズは、所望の形状の凹部を有する加工ローラによって微小レンズ材料から微小複製される。微小レンズの焦点62は、基板と材料層16との間の界面上、又はその近傍にある。シートはステージ88上に配置される。]
[0032] 次にレーザーを作動させる。レーザー72の出力を変化させることによって浮遊/沈み込みの高さの異なる形状物を形成する。より大きな浮遊/沈み込みの高さを形成するためにはより大きな出力が必要とされる。レーザーによって合成画像が書き込まれるようにレーザー、Z軸ステージ86、及びX−Yステージ88を互いに対して動かす。]
[0033] シートは、レーザー放射光に曝露した後、材料層16に適した溶媒を使用して所定の時間にわたって現像する。必要なレベルの放射光で照射されなかった重合性材料は洗い流され、構造領域のアレイが残る。各構造領域の少なくとも1つは合成された構造の部分構造である。実際には、構造領域のアレイの大部分は、合成された構造の部分構造となる。]
[0034] 特定の実施形態では、マスターシートは、マスターシートの平面の上又は下に浮遊して見える合成画像を生成する。このようなマスターシステムでは、微小レンズのアレイのそれぞれが、材料層の所定の位置へと光を透過する屈折性表面を有することにより、材料層内部に形成された構造領域から、反射又は透過した光によって合成画像が生成される。合成画像はマスターシートの上又は下に浮遊して見える。しかしながら、他の実施形態では、複製シートにおいて合成画像が見えるのにも関わらずマスターシートを見た場合に合成画像が見えない場合がある。これは、反射率が極めて低いか反射性をまったく有さない構造領域が生成されるように曝露することが可能な重合性材料が使用される場合に起こりうる。こうした状況では、マスターシートからの透過光又は反射光中で合成画像が容易に視認できない場合がある。]
[0035] 異なる実施形態において、マスターシートの構造領域の少なくとも1つは、少なくとも0.5マイクロメートル又は少なくとも1マイクロメートルだけマスターシートの平面よりも上方に突出するか、マスターシートの平面よりも下方に陥凹した寸法を有する。他の実施形態では、構造領域の少なくとも1つが、少なくとも2マイクロメートル又は少なくとも約4マイクロメートルだけ突出するか陥凹する。]
[0036] II.光重合性材料の選択肢
多くの異なる種類の材料を材料層16に使用することができる。一実施形態では、光重合性材料は2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露することによって重合する。2光子重合性材料は、非線形的な光重合反応によって特徴付けられる。材料の硬化は、電場の強度の2乗に従う。このためには、最初に吸収された光子が再放出される前に第1の光子の吸収により生じる励起分子によって第2の光子が吸収される確率がある程度高くなるように集束光の電場が充分に強いものである必要がある。その結果、2光子反応では、焦点の極近傍においてのみ重合反応が起きる。比較的強度が低い散乱光は何らの影響も及ぼさずにレジストを単純に通過してしまう。]
[0037] 1光子反応を用いることも可能である。しかしながら、1光子反応では、重合に必要な線量がフルーエンス及び時間の線形関数であるため、適正な波長のすべての散乱光が硬化を開始させうる。]
[0038] 2光子重合性材料の例は、2005年12月21日出願の代理人ドケット番号60893US002及び出願番号第11/313,482号を有する、同時係属中の同一所有者による特許出願に述べられている。]
[0039] 以下の用語は、合成画像を有するシートの光重合性材料を考察するうえで有用である。]
[0040] 「多光子吸収」とは、2つ以上の光子が同時に吸収されることによって、同じエネルギーの1つの光子の吸収によってはエネルギー的にアクセス不能である反応性の電子的な励起状態に達することを意味する。]
[0041] 「光増感剤」とは、光開始剤の活性化に必要とされるエネルギーよりも低い光エネルギーを吸収し、光開始剤と相互作用することによって光開始剤を活性化するのに必要なエネルギーを低下させて光開始化学種を生成する分子のことを意味する。]
[0042] 「同時」とは、10−12秒以下の時間内に起こる2つの事象を意味する。]
[0043] 2光子重合性組成物を使用するプロセスは、酸又はラジカルによって開始される化学反応を行うことが可能な少なくとも1つの反応性化学種、及び少なくとも1つの多光子光開始剤システムを含む光反応性組成物を与えることを含む。本プロセスは更に、少なくとも2つの光子の同時吸収を引き起こすだけの充分な光に前記組成物の少なくとも一部を画像様に曝露することによって、組成物が光に曝露された部位において少なくとも1つの酸又はラジカル開始化学反応を誘発することを含む。本プロセスは更に、前記組成物の曝露部分又は非曝露部分を除去することによって前記組成物を現像することを含む。場合により、前記組成物の少なくとも一部を画像様に曝露した後、残りのすべての未反応の光反応性組成物の少なくとも一部の反応を引き起こすだけの充分な光に前記組成物の少なくとも一部を非画像様に曝露することも可能である。]
[0044] 一実施形態では、材料層16は少なくとも1マイクロメートルの厚さを有する。別の実施形態では、材料層は5マイクロメートル又は10マイクロメートル以下の厚さを有する。特定の実施形態では、材料層16は、1.5マイクロメートル、1.7マイクロメートル、及び4マイクロメートルの厚さを有する。]
[0045] ネガレジスト材料又はポジレジスト材料のいずれかを使用することが可能である。本願の全体を通じて、通常はネガレジスト材料の例について考察している。代わりにポジレジスト材料が使用される場合、充分に照射された領域が現像及び洗浄時に除去される。現像及び洗浄後、マスターシートは、複製シートの所望の第2の構造領域の形状のキャビティーを有する第1の構造領域のアレイを有することになる。]
[0046] III.微小レンズのアレイ及び基板
一実施形態では、微小レンズのアレイ14は、所望の形状の凹部を有する加工ローラを使用してウレタンメタクリレートから形成される。微小レンズのアレイの配置は、六角形で充填されたアレイ、正方形のアレイ、又は他の規則的な繰り返しの構成であってよい。]
[0047] 異なる実施形態において、微小レンズは、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、及び少なくとも30マイクロメートルの直径を有する。更なる実施形態では、微小レンズは200マイクロメートル、150マイクロメートル、又は100マイクロメートル以下の直径を有する。特定の実施形態における特定の微小レンズの直径は30マイクロメートル及び150マイクロメートルである。]
[0048] 微小レンズのアレイ自体は、個別のレンズレットから製造するか、あるいは微小レンズのモノリシックなアレイを製造するエッチングプロセスによって製造することができる。微小レンズに適した材料は、入射光のエネルギーの波長において非吸収性のものである。アレイの個々の微小レンズは、開口数が0.3よりも大きく、直径が10マイクロメートルよりも大きいが1mmよりも小さいものが好ましい。モノリシックアレイの個々のレンズレットの形状は、高い開口数を有し,かつ約60%よりも大きな充填率(fill factor)を与えるように選択される。]
[0049] 基板は好ましくは光学的に透明であり、レーザー放射光を吸収しないものである。一実施形態では、基板は約51マイクロメートル(2ミル)の厚さを有し、ポリエチレンテレフタレート(PET)で形成される。他の実施形態では、基板は127マイクロメートル(5ミル)の厚さを有する。ポリエステルなどの代替的な材料も基板において可能である。]
[0050] IV.放射光源及び放射光システム
本発明の方法では、所望の強度及び波長の放射光を与えるあらゆるエネルギー源を使用することができる。エネルギー源の強度は、大きな吸収損失をともなわずにレンズアレイを透過できるだけの充分なものである。波長は重合性材料に応じて選択される。200ナノメートル〜11マイクロメートルの波長を有する放射光を与えることが可能な装置が特に好ましいと考えられる。特定の実施形態での使用に適したレーザー装置の1つの例として、スペクトラ・フィジックス・マウンテン・ビュー社(Spectra-Physics Mountain View)(カリフォルニア州)より「HURRICANE」の商品名で販売されている、波長が800nm、パルス幅が120フェムト秒、及び平均出力レベルが1ワットであるようなものがある。別の有用なレーザーとして、スペクトラ・フィジックス社より「MAITAI」の商品名で販売されている、750〜850ナノメートルの範囲の波長に調整可能な、繰り返し周波数が80MHz、パルス幅が約100フェムト秒(1×10−13秒)で平均出力レベルが最大で1ワットであるようなものがある。]
[0051] 適当な光源としては、例えば、アルゴンイオンレーザー(例えば、コヒーレント社(Coherent)より「INNOVA」の商品名で市販されるもの)によってポンピングされるフェムト秒近赤外チタンサファイア発振器(例えば、コヒーレント社(カリフォルニア州サンタクララ)より「MIRA OPTIMA 900−F」の商品名で市販されるもの)がある。このレーザーは76MHzで動作し、パルス幅が200フェムト秒未満であり、700〜980nmの間で調整可能であり、平均出力が最大で1.4ワットである。]
[0052] 多光子法では、光反応性組成物において使用される多光子吸収物質に適した波長で多光子吸収を引き起こすだけの充分な強度を与えるものであればいずれの光源(例えばレーザー)を使用することもできる。こうした波長は通常、約300〜約1500nm、好ましくは約400〜約1100nmであり、より好ましくは約600〜約900nmであり、より好ましくは約750〜約850nmである(両端の値を含む)。通常、光フルーエンス(例えばパルスレーザーのピーク強度)は、約106W/cm2よりも大きい。光フルーエンスの上限値は、光反応性組成物のアブレーション閾値によって一般的に表わされる。]
[0053] 好ましい光源は、パルス長さが約10−8秒(より好ましくは約10−9秒、最も好ましくは約10−11秒)よりも小さい近赤外パルスレーザーである。上記のピーク強度及びアブレーション閾値の基準が満たされているかぎり他のパルス長さを用いることもできる。パルス放射は例えば、約1kHz〜約50MHzまで、又は更にそれ以上のパルス周波数を有しうる。連続波レーザーを使用することもできる。]
[0054] 電磁スペクトルの紫外、可視及び赤外部分のエネルギー源では光を適当な光学要素によって制御する。その一例を図8に示し、本明細書に詳述する。一実施形態では、「光学列」(optical train)として一般的に呼ばれる光学要素の必要条件の1つとして、光学列が光を適当な発散度又は拡がりでシート材料に向けて偏向することによって微小レンズ、ひいては材料層を所望の角度で照射する、という点がある。本発明の合成画像は好ましくは開口数(最大発散光線の半角の正弦として定義される)が0.3以上である光拡散装置によって得られる。開口数が大きい光拡散装置ほど、視野角が大きな合成画像を生成し、画像の見かけ上の運動の範囲が大きくなる。] 図8
[0055] 放射光システム又は光学システム70には、例えば、屈折性光学要素(例えばレンズ又は微小レンズアレイ)、反射性光学要素(例えば再帰反射器、又は集束ミラー)、回折性光学要素(例えば格子、位相マスク、及びホログラム)、偏光性光学要素(例えば線形偏光板及び波長板)、散乱性光学要素(例えばプリズム及び格子)、拡散器、ポッケルスセル、導波管などが含まれる。こうした光学要素は、集束、ビーム供給、ビーム/モード成形、パルス成形、及びパルスタイミングに有用である。一般に、光学要素は組み合わせて使用することができるが、他の適当な組み合わせも当業者によって認識されるであろう。対物レンズは、例えば1以上の屈折性、反射性、及び/又は回折性光学要素を有してよい。一実施形態では、顕微鏡法で使用されるような対物レンズを例えばカール・ツァイス・ノースアメリカ社(Carl Zeiss,North America)(ニューヨーク州ソーンウッド)などの商業的販売元から入手し、対物レンズ84として使用することができる。例えば、放射光システムは、開口数(NA)0.75の対物レンズ(例えばカール・ツァイス・ノースアメリカ社より「20XFLUAR」の商品名で販売されるもの)を備えた走査型共焦点顕微鏡(例えばバイオラッド・ラボラトリーズ社(Bio-Rad Laboratories)(カリフォルニア州ハーキュリーズ)より「MRC600」の商品名で販売されるもの)を含んでよい。]
[0056] 比較的開口数の大きな光学要素を使用して高度に集束された光を与えることがしばしば望ましい。しかしながら、所望の強度プロファイル(及びその空間的配置)を与える光学要素の任意の組み合わせを使用することができる。]
[0057] V.画像形成プロセス
本発明に基づく例示的な画像形成プロセスは、レーザーからの平行化された光をレンズを通じて微小レンズシートに向けて偏向することと、物体を光源でトレースすることとからなる。浮遊画像を有するシートを形成するには、下記に更に述べるように、発散又は収束レンズを通じて光を透過させる。シートの放射光感受性コーティングを有する側面をレンズから遠い位置に配置することにより、光の円錐軸(光軸)は微小レンズシートの平面に対して往々にして垂直となるが、しばしば他の角度でもありうる。]
[0058] 個々の微小レンズはそれぞれ、光軸に対して固有の位置を占めることから、各微小レンズに入射する光は、他の微小レンズのそれぞれに入射する光に対して固有の入射角を有することになる。したがって、光は各微小レンズによって材料内の固有の位置へと透過され、固有の構造を生成する。より正確には、物体の輪郭が光源によってトレースされる際、1つの光パルスが材料層内に1つのみの画像形成領域を形成するため、微小レンズに隣接する構造領域を与えるためには複数の光パルスを使用することによって、画像形成された複数のより小さなドットからその画像を形成する。それぞれのパルスについて、光軸は前のパルスの際の光軸の位置に対して新たな位置に位置することになる。微小レンズに対する光軸の位置がこのように連続的に変化することによって、各微小レンズへの入射角、ひいてはそのパルスによって材料層内に形成される画像形成領域の位置が対応して変化する。その結果、放射光感受性層上に集束する入射光は、放射光感受性層内に選択されたパターンの画像を形成する。各微小レンズの位置は各光軸に対して固有であるため、各微小レンズに対して放射光感受性材料内に形成される画像は他のすべての微小レンズにともなう画像とは異なることになる。]
[0059] 浮遊する合成画像を形成するための別の方法では、レンズアレイを用いることによって高度に発散した光を生成して微小レンズ形成材料に画像形成する。レンズアレイは、いずれも高い開口数を有する多数の小型のレンズが平面状に配列されたものである。このアレイが光源によって照射されると、アレイは多数の高度に発散した光の円錐を生成する。個々の円錐のそれぞれはアレイ内の対応するレンズ上に中心が位置する。アレイの物理的寸法は、合成画像の最大の横方向のサイズが収まるように選択される。アレイのこうしたサイズのため、レンズレットによって形成される個々のエネルギーの円錐は、あたかも個々のレンズがアレイのすべての点に連続的に配置されているかのように光のパルスを受光しつつ微小レンズ形成材料を露光することになる。どのレンズが入射光を受光するかの選択は反射マスクを使用することによって行われる。このマスクは、露光されるべき合成画像の部分に対応した透明な領域と、画像が露光されてはならない部分の反射領域とを有している。このレンズアレイの横方向の拡がりのため、画像をトレースするのに複数の光パルスを使用する必要はない。]
[0060] 入射エネルギーによってマスクの全体を照射することによって、エネルギーが通過するマスクの部分は、あたかも画像が1つのレンズによってトレースされたかのように浮遊画像の輪郭を描く、高度に発散した個々の多くの光の円錐を形成することになる。その結果、微小レンズシート内に合成画像の全体を形成するのに1つのみの光パルスを必要とするだけである。また、反射マスクの代わりに、ガルボメータ(galvometric)式XYスキャナーのようなビーム位置決定システムを使用してレンズアレイを局所的に照射し、アレイ上に合成画像をトレースすることもできる。この方法ではエネルギーは空間的に局在化しているため、アレイ内の数個のみのレンズレットが任意の所定の時間に照射されることになる。これらの照射されたレンズレットは、シート内に合成画像を形成するために微小レンズ形成材料を曝露するのに必要な光の円錐を与えるものである。]
[0061] 画像形成後には、拡がった物体のサイズに応じて、物体の完全な又は部分的な複製が各微小レンズの背後の放射光感受性材料内に存在することになる。実際の物体が特定の微小レンズの背後の画像として複製される程度は、その微小レンズに入射するエネルギー密度に依存する。拡がった物体の部分を、所定の微小レンズの領域から充分に離すことが可能であり、これによりこれらの微小レンズに入射するエネルギーは、材料を改質するのに必要とされる放射光レベルよりも低いエネルギー密度を有することになる。更に、空間的な拡がりを有する画像では、NAが固定されたレンズで画像形成する場合、拡がった物体のすべての部分について、シートのすべての部分が入射放射光に曝露されるわけではない。その結果、物体のこれらの部分は放射光感受性媒質中で改質されず、物体の部分的な画像のみが微小レンズの背後に出現することになる。]
[0062] 図2は、個々の微小レンズに隣接した放射光感受性層内に形成されたサンプル画像を示す、微小レンズシートの一部の平面図であり、記録された画像が合成画像の完全な複製から部分的な複製にわたっている様子を更に示している。図3は、シートの一実施形態によって形成される、長方形の内部で交差する円の合成画像30の写真である。図4は、部分的に完全な構造40のアレイを有する図3の微小レンズシートの部分32の走査電子顕微鏡(SEM)画像であり、図5及び6は、図3のシートの部分的に完全な構造40の1つのみをそれぞれ上面図及び斜視図で示したものである。] 図2 図3 図4 図5
[0063] シートによって形成される合成画像は、いずれも実際の物体を異なる視点から見たものである、シート内の多数の部分的又は完全な構造の両方を加え合わせた結果得られるものとみなすこともできる。小型レンズのアレイによって、いずれも物体又は画像を異なる視点から「見た」ものである、こうした多くの固有の構造が形成される。個々の小型レンズの背後には、材料層中に、画像の形状及び画像形成用のエネルギー源が受光される方向に依存した画像の透視図が形成される。しかしながら、レンズが見るすべてが放射光感受性材料中に記録されるわけではない。レンズによって見られる画像又は物体の、放射線感受性材料を改質するだけの充分なエネルギーを有する部分のみが記録される。]
[0064] 画像形成される「物体」は、強力な光源の使用により、「物体」の輪郭をトレースするか、又はマスクを使用することによって形成される。このように合成アスペクトを有するように記録される画像では、物体からの光は広い角度範囲にわたって放射されなければならない。物体から放射される光がその物体の1つの点から来るものであり、広い角度範囲にわたって放射されるものである場合、すべての光線が物体に関する情報を有している(ただしその1つの点からのみの)が、情報はその光線の角度の視点からのものである。光線によって運ばれるような、物体に関する比較的完全な情報を得るためには、光線は、物体を構成する点の集合から幅色い角度範囲にわたって放射されなければならないものと考える本発明では、物体から放射される光線の角度範囲は物体と微小レンズ材料との間に配置される光学要素によって制御される。これらの光学要素は、合成画像を生成するために必要な最適な角度範囲を与えるように選択される。光学要素の最適な選択によって円錐の頂点が物体の位置において終端するような光の円錐が得られる。最適な円錐角は約40度よりも大きい角度である。]
[0065] 物体は小型レンズによって縮小され、物体からの光線が小型レンズの裏面に対してエネルギー感受性コーティング上に集束される。レンズの裏面の集束されたスポット又は画像の実際の位置は、物体から放射される入射光線の方向に依存する。物体上の一点から放射される光の円錐はそれぞれ、小型レンズ群の一部を照射し、充分なエネルギーで照射された小型レンズのみが物体のその点の不変的な画像を記録する。]
[0066] 異なる幾何学的光学要素を使用することによって、シートの平面の下に浮遊する画像、シートの平面の上に浮遊する画像、並びに所定の長さ、幅、及び高さ及び深さを有し、シートの下若しくは上にのみ、又はシートの下、シートの平面内及びシートの上の任意の組み合わせの位置に見える画像などの、様々な種類の合成画像を形成して見ることができる。これらの異なる種類の画像を形成して見ることに関連する光学要素が米国特許第7,068,434号に述べられている。]
[0067] 露光時間は一般的に、光反応性組成物中の反応性化学種の反応を引き起こすために用いられる露光システムの種類(及び、開口数、光強度の空間的分布の形状、レーザーパルスの間のピーク光強度(より高い強度及びより短いパルス幅がピーク光強度に概ね相当する)などのこれに付随する変量)、並びに光反応性組成物の性質に依存する。一般的に、他のすべての条件が等しい場合、焦点領域のピーク光強度が高いほど、露光時間は短くなる。線形画像形成すなわち「書き込み」速度は、約10−8〜10−15秒(例えば約10−11〜10−14秒)かつ約102〜109パルス/秒(例えば約103〜108パルス/秒)のレーザーパルス幅を用いた場合、約5〜100,000マイクロメートル/秒でありうる。]
[0068] 露光された光反応性組成物の溶媒現像を促進するには、閾線量の光(すなわち閾線量)を使用することができる。この閾線量は、通常はそのプロセスに固有のものであり、例えば、波長、パルス周波数、光の強度、特定の光反応性組成物、製造される特定の微小レンズ構造、又は溶媒現像に使用されるプロセスなどの変量に依存しうる。したがって、プロセスのパラメータの各群を通常、閾線量によって特徴付けることができる。閾線量よりも高い光の線量を得ることが可能であり、こうした線量は効果的でありうるが、高い線量(閾線量を上回る)は通常、遅い書き込み速度及び/又は高い光強度で使用される。]
[0069] 光線は、光反応性組成物中に、露光していない光反応性組成物の溶解度特性とは異なる溶解度特性を有する材料の体積領域を生ずるような反応を誘発する。得られた異なる溶解度のパターンは、従来の現像プロセスによって例えば、露光又は未露光領域のいずれかを除去することにより実体化することができる。]
[0070] 光の線量を増大させると、プロセスによって生成するボクセルの体積及びアスペクト比が増大する傾向がある。したがってアスペクト比が低いボクセルを得るためには、閾線量の約10倍未満、好ましくは閾線量の約4倍未満、より好ましくは閾線量の約3倍未満の光線量を用いることが一般的に好ましい。アスペクト比が低いボクセルを得るためには、光線の径方向の強度プロファイルがガウス分布にしたがうことが好ましい。]
[0071] 露光した光反応性組成物は、例えば、露光した光反応性組成物を溶媒中に置いて溶媒に対する溶解度の高い領域を溶解することにより、溶媒で洗浄することにより、蒸発により、酸素プラズマエッチングにより、他の公知の方法により、及びこれらの組み合わせにより現像することができる。露光した光反応性組成物を現像するために使用することが可能な溶媒には、例えば、水(例えばpHが1〜12の範囲であるもの)、及び水と有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど、及びこれらの混合物)との相溶性混合物のような水性溶媒、並びに有機溶媒が含まれる。例示的な有用な有機溶媒としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール)、ケトン類(例えば、アセトン、シクロペンタノン、及びメチルエチルケトン)、芳香族化合物類(例えば、トルエン)、ハロカーボン類(例えば、塩化メチレン、及びクロロホルム)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エステル類(例えば、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン)、アミド類(例えば、N−メチルピロリドン)など、及びこれらの混合物が挙げられる。]
[0072] 多光子吸収条件下で露光後、ただし溶媒現像の前に必要に応じて焼成処理を行うことが例えばエポキシタイプの反応性化学種などの一部の光反応性組成物において有用な場合がある。一般的な焼成条件としては、約40℃〜約200℃の範囲の温度で、約0.5分〜約20分の範囲の時間である。]
[0073] 必要に応じて、構造領域を重合するために露光してから、好ましくは溶媒現像を行った後、化学線を用いた非画像様の露光を行って残りの未反応の光反応性組成物組成物を反応させることができる。このような非画像様の露光は1光子法を用いて好ましくは行うことができる。]
[0074] VI.微小複製プロセス
本明細書に述べた画像形成プロセスを用いて第1の構造領域を有するマスターシートが形成された後、微小複製法を用いてマスターシート上に構造領域の複製が存在する更なるシートを製造する。様々な使用可能な微小複製法が、米国特許第5,691,846号、同第5,183,597号、及び米国特許出願公開第2006−0134259号に述べられている。]
[0075] 異なる実施形態において、更なるシートは、マスターシートの第1の構造領域に形状適合する物質を用いて形成される。この方法で用いられる形状適合性物質は第1の構造領域と形状適合することが可能であることにより、第1の構造領域を高い精度で複製することができる。形状適合性物質の例としては、硬化性組成物及びニッケルなどの電気めっきされた金属材料が挙げられる。]
[0076] 一実施形態では、微小レンズのアレイ及び複製構造のアレイは別々のプロセスで形成された後、互いに接合される。この実施形態では、最初の工程は、マスターシートの第1の構造のアレイを形状適合性組成物で覆うことである。形状適合性組成物として硬化性物質が用いられる場合、紫外線又は他の放射光への曝露などの硬化工程を続いて行う。例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用することによって第1の構造アレイのネガ画像又はネガ型を形成することができる。形状適合性組成物が硬化した時点でこれをマスターシートから分離する。得られた構造は、所望の構造アレイのネガ型であり、これを別の形状適合性組成物の鋳型として使用する。]
[0077] 紫外線硬化性配合物などの硬化性組成物又は電気めっき材料であってよい第2の形状適合性組成物によって、第1の構造アレイの複製を形成する。]
[0078] 微小レンズのアレイは、各種の機械加工法、成型法、エッチング法又は他のプロセスなどの本明細書で述べる方法のいずれを用いても製造することができる。この後、微小レンズアレイと複製構造とを接合する。微小レンズアレイと複製構造アレイとはロールツーロールプロセスを用いて接合することができる。]
[0079] 別の実施形態では、微小レンズアレイ及び構造領域アレイを基板の両側のコーティングから形成することができる。例えば、両面に硬化性組成物のコーティングを有する基板を与える。例えば紫外線硬化性樹脂又は溶融加工可能な樹脂を使用することができる。フィルムの第1の側面上に微小レンズを形成する。フィルムの第2の側面を第1の構造アレイの鋳型と接触させた後、硬化させることによってフィルムの第2の側面上かつ微小レンズアレイの内の1つと正反対の位置に構造領域のアレイを形成する。]
[0080] 本明細書で述べる異なる実施形態において、工程を行うことによって微小レンズのアレイが複製構造のアレイと関連付けられるが、これは、微小レンズアレイと複製構造アレイとの関連付けが、微小レンズアレイが複製構造アレイとは別の構造上に形成される際に行われるか、あるいは微小レンズアレイが1つの基板の、構造アレイとは反対側の側面に形成される際に行われるかとは無関係に行われる。より詳細には、個々の複製構造領域は個々の微小レンズと関連付けられる。米国特許第7,165,959号は、ウェブの両面にパターン形成された表面を特定の整合精度で鋳造するための方法について述べており、これらの方法は、微小レンズアレイ及び構造アレイをウェブの両面に形成するうえで有用である。例えば、両面上に形成されるパターン同士は、少なくとも20マイクロメートル以内、より好ましくは少なくとも15マイクロメートル以内で連続的に見当合わせされた状態に維持される。本発明の特定の実施形態では、両面上に形成されるパターン同士は、少なくとも5マイクロメートル以内、更により好ましくは少なくとも3マイクロメートル以内で連続的に見当合わせされた状態に維持される。本発明の特定の実施形態では、両面上に形成されるパターン同士は、微小レンズアレイの各レンズの直径の10%以内で連続的に見当合わせされた状態に維持される。]
[0081] 本明細書で述べられる実施形態のいずれにおいても、基板の画像側のコーティングは、構造化領域内においてコントラストを与えるための着色材料を含んでよい。
VII.]
[0082] (実施例I)
第1の実施例では、厚さ50マイクロメートル(2ミル)のPET基板が、微小レンズを一方の側面上に有し、光重合性材料の層を他方の側面上に有している。各微小レンズはウレタンアクリレートで形成され、直径が30マイクロメートルであり、六角形で充填された構成に配置されている。基板の、微小レンズとは反対側の側面には、厚さ5マイクロメートルのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のコーティングが存在し、以下の添加剤を含んでいる。すなわち、0.5%のCGI7460(「CGI 7460」は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)(ニューヨーク州タリータウン)より入手されるテトラブチルアンモニウムn−ヘキシル−トリス(3−フルオロフェニル)ボレートである)、及び1%のCD 1012(「CD 1012」は、サルトマー社(Sartomer Co.,Inc.)(ペンシルベニア州エクストン)から販売されるジアリールイオジニウム塩である)。PMMAコーティング中に存在する別の添加剤は、米国特許第6,300,502号の実施例20に述べられるようにして調製した光増感剤色素N,N,N−トリス(7−(2−ベンゾチアゾリル)−9,9−ジエチル−2−フルオレニル)アミンの0.5%濃縮溶液である。この組成物を、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露することにより重合させた。]
[0083] Fast Tool Servo(FTS)切削工具ローラによって微小レンズを複製した。FTS切削工具ローラは、コンピュータから受信した制御信号に基づいて工作物に対して切削工具を変位させるものである。各レンズの焦点は、厚さ51マイクロメートル(2ミル)のPET基板とPMMA層との間の界面に位置した。]
[0084] 図8に示されるような光学システムを画像形成プロセスで使用した。] 図8
[0085] 使用した光源は、1kHzの周波数で800nmの波長にて動作するSpectra Physics Hurricaneフェムト秒レーザーシステム72である。]
[0086] 光線はUniblitzシャッター74を用いて変調した。可変減光フィルター76を用いて浮遊高さの位置に応じてHurricaneレーザーの出力を60mW〜520mWに制御した。この実施例で使用した浮遊高さは、2mm、4mm及び6mmであり、ビームエクスパンダー78に供給される対応するレーザー出力は198mW、346mW及び495mWであった。]
[0087] この出力を吸収減光ホイール群80によって更に制御した。実施例1の異なる形態では、減光フィルターは0.5、0.8、又は1.0の光学密度を有するものを用いた。0.8の好ましい光学密度、及び最後の対物レンズ84の位置が2mm、4mm、及び6mmの浮遊高さに設定された状態で、対応するレーザー出力はそれぞれ31mW、54mW、及び78mWであった。ステージ88及び90を並進させることにより、1m/分の平均速度でこれらのレーザー出力で実施例に書き込みを行った。]
[0088] 画像形成後、PMMAを約2分間現像した。現像時間は光重合性層の厚さに基づいて求めた。現像に使用した溶媒は、マイクロケム社(MicroChem Corp.)(マサチューセッツ州ニュートン)からSU−8現像剤として市販されているポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアセテート(PGMEA)である。]
[0089] 図3は、異なる浮遊/沈み込み高さにある交差した円の画像の写真を示したものである。各ペアの大きい方の円はシートの平面の上に浮遊しており、小さい方の円はシートの平面の下に浮遊している。図3の画像の上段の左から右に見ていくと、第1の画像30では大きな円の浮遊高さが4mmであり、小さい円の沈み込みの距離が4mmである。第2の画像34は浮遊/沈み込み高さが6mmであり、第3の画像は浮遊/沈み込み高さが2mmである。図3の画像は、光学密度が0.5である減光フィルターを用いて書き込まれたものである。] 図3
[0090] 図4〜6は、レンズアレイ内の各レンズの背後に形成された個々の微小構造のSEM画像である。形成された構造領域は、形状物の幅が狭い、明確なものであった。画像形成プロセスによって形成された構造領域を第1の構造領域と呼ぶものとする。] 図4 図5 図6
[0091] 次に、これらのPMMAマスターツール上の第1の構造領域を複製した。先ず、第1の構造領域でポリメチルシロキサン(PDMS)の複製を形成した。このPDMS材料はGE社より「RTV 615」の商品名で販売されており、これを混合後に真空脱気し、マスターツール上に注ぎ、80℃で約10分硬化した。次にこの鋳型を、「Photomer 6210」の商品名で販売されている75重量%のウレタンアクリレート樹脂、「HDODA」の商品名で販売されている25重量%の多官能性アクリレート、及び「TPO−L」の商品名で販売されている1%の光開始剤を含む紫外線硬化性配合物とともに使用して元のツールの形状物を複製した。]
[0092] 図9〜11は、複製された形状物の3つの異なるSEM画像を示したものである。PDMS鋳型及び紫外線硬化性配合物によってマスターの形状物が忠実に複製された。次に複製された形状物を元のレンズアレイの複製物と合わせた。複製された構造は、レーザーで描画された浮遊画像のすべての特徴を有する画像を生成した。] 図10 図11 図9
[0093] 実施例II−薄いレジスト層
実施例IIでは、レジスト層の厚さを約1.5〜1.7マイクロメートルとした点を除いて、実施例Iと同じ条件、装置、及び組成物を使用した。画像形成プロセスによって得られたマスターツールは極めて明瞭な形状物を有していた。]
[0094] 実施例III−高い繰り返し率
実施例IIIでは、実施例Iと同じ条件、装置、及び組成物の多くを使用した。ただし、異なるレーザー光源を使用してPMMAを露光した。使用したレーザー光源は、スペクトラ・フィジックス社(カリフォルニア州マウンテンビュー)より「MAITAI」の商品名で販売されている、750〜850ナノメートルの範囲の波長に調整可能な、繰り返し周波数が80MHz、パルス幅が約100フェムト秒(1×10−13秒)で平均出力レベルが最大で1ワットであるものである。出力を比較的低く保ったため、書き込み速度も0.5mm/秒とより遅かった。]
[0095] このレンズアレイは、実施例Iにおけるものとも異なっており、正方形のアレイに配列された直径150マイクロメートルのレンズから構成されるものであった。PET基板の裏面には約30マイクロメートルのPMMAをコーティングした。]
[0096] 浮遊/沈み込みが2mmである交差円の画像について画像形成プロセスを行った。部分的な構造領域は、他の実施例からの構造領域と比較して大きなサイズを有したが、これはレジスト層がより厚いことに一部よるものであり、更にレンズが大幅に大きいためである。]
[0097] 実施例IV−1光子法
実施例IVでは、実施例Iと同じ条件、装置、及び組成物の多くを使用した。ただし、1つの光子が吸収されるような条件に曝露すると重合するPMMAの組成物を使用した。PMMAのコーティングは厚さが20マイクロメートルであった。マスターシートを形成するために使用した光学システムでは、スペクトラ・フィジックス社(カリフォルニア州マウンテンビュー)より「TP−1A」の商品名で市販されている周波数倍増結晶をレーザー光線の光路に挿入した。この非線形結晶は、第2次高調波発生を利用してレーザー周波数を倍増させるものであり、これにより420nmの測定波長が得られた。]
[0098] 実施例Iで使用したようなFTS切削工具を用いて作製した直径30マイクロメートルのレンズアレイを含む、3つの異なるレンズアレイを使用した。更に、flats(ELMoF)プロセスのエキシマレーザー加工によって製造した、直径30マイクロメートルの六角充填レンズアレイを使用した。ELMoFプロセスの詳細については、例えば、2001年9月4日発行のフレミング(Fleming)らに付与された米国特許第6,285,001号を参照されたい。更に、実施例IIの直径150マイクロメートルの正方形のレンズアレイも使用した。]
[0099] 各レンズアレイについて異なる線量レベルを用いた。使用した線量レベルのいずれも明瞭な形状物が形成され、各画像はある程度の浮遊を示した。しかしながら、各画像の線は幅が広く、明確さを欠いていた。図12〜13は、直径150マイクロメートルのレンズアレイを使用して製造された微小構造の顕微鏡写真である。図12〜13は、過剰露光及び散乱によって余分な材料が形状物の周囲で硬化している状態を示している。] 図12 図13
[0100] 過剰露光の影響を避けるために出力を低下させることによって画像を向上させることが可能である。しかしながら、最も低い選択された線量においてさえも、過剰量のPMMAが望ましくない領域に残留し、鮮明な画像の形成を妨げた。この実施例は、多光子プロセスの利点を実証するものである。]
[0101] 実施例V−代替的な基板上のツール
実施例Iで述べたものと同じアクリレートレジストの厚さ1.5マイクロメートルの層をシリコンウェーハ上にコーティングした。127マイクロメートル(5ミル)のPET基板上に正方形充填レンズアレイとして配列された直径150マイクロメートルのウレタンアクリレート微小レンズから構成される微小レンズフィルムのシートを用意した。この微小レンズフィルムを、指定浸漬液コード1160にてカーギル・ラブズ社(Cargille Labs)(ニュージャージー州セダーグローブ)より市販される浸漬オイルの液滴でコーティングした。レンズフィルムの裏面全体を覆うようにオイルを均一に広げた後、シートのこのオイルコーティング面をレジストでコーティングしたウェーハと接触させた。小型のゴムローラを使用して構造を互いに積層し、閉じ込められた空気を除去した。その際、浸漬オイルはPETとレジストの屈折率を一致させる機能と、離型剤としての機能の両方を有した。]
[0102] この実施例では、微小レンズアレイと光重合性材料の層とは別の構造である。]
[0103] レーザーの出力レベルが若干異なる点を除き、実施例Iと同様にして画像形成を行った。2mmの浮遊(又は沈み込み)高さにおいて出力を80mWに設定し、6.35mmで出力を400mWとした。実施例Iと同様、異なる形態では、光学密度が0.5、0.8、又は1.0である減光フィルターによってレーザー出力を更に低下させた。画像形成時の並進速度はやはり1m/分とした。]
[0104] 画像形成後、微小レンズフィルムをウェーハから剥離し、ウェーハ上のパターンを実施例Iと同様にPGMEAを用いて現像した。得られたシリコン上の形状物をマスターツールとした。]
[0105] 実施例VI−マスターツールのニッケルめっき
実施例Vで作製したマスターツールをニッケルで電気めっきすることによって容易に複製することが可能な丈夫なツールを形成した。ニッケルを電着するための導電性表面を形成するため、100ナノメートルの金属銀を真空蒸発法によってマスターツール上に蒸着した。]
[0106] コーティングしたツールを容量%の以下の成分からなるニッケルめっき浴中に入れた。すなわち、53%スルファミン酸ニッケル、42%脱イオン水、4%臭化ニッケル、及び1%ホウ酸。この溶液22.7L(6ガロン)に対して3gのdiocedyl界面活性剤を更に加えた。めっき浴の温度を56℃(133°F)に維持し、10A/平方フィートの電流密度を1時間にわたって導入した。この時間の後、ニッケルが所望の厚さに達するまで電流密度を20A/平方フィートに増大させた。]
[0107] 完成した構造をめっき浴から取り出した後、マスターツールをニッケル鋳型から引き剥がしてニッケルツール表面を露出させた。このニッケルツール表面はマスターツールの正確な複製であった。]
実施例

[0108] 本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく本発明の様々な改変及び変形が当業者には明らかであり、本発明が本明細書に記載された例示的な実施形態に限定されるものではないことは理解されるはずである。本明細書で触れたすべての米国特許、米国特許出願公開、並びに他の特許及び非特許文献を、これらが上記の開示と矛盾しない限りにおいて本明細書に援用するものである。]
权利要求:

請求項1
マスターツールからシートを形成するための方法であって、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合性の第1の材料層を含む第1のシートを用意する工程と、前記第1のシートを放射光源に曝露することによって前記第1の材料層中に複数の重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程であって、前記第1の構造領域の少なくとも一部が他の第1の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、第1の構造領域のそれぞれが前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる、工程と、前記複数の第1の構造領域を、前記複数の構造領域に形状適合する物質を用いて複製することによって、複数の複製された構造領域を有する第2の材料層を形成する工程と、を含む方法。
請求項2
前記第2の材料層を微小レンズの第2のアレイと関連付けることによって第2のシートを形成する工程を更に含み、個々の複製された構造領域が前記微小レンズの第2のアレイの個々の微小レンズと関連付けられ、前記微小レンズの第2のアレイのそれぞれが前記第2の材料層の位置に光を透過させる屈折面を有することによって、前記第2の材料層内に形成された前記複製された構造領域から反射光又は透過光によって合成画像が生成され、前記合成画像が前記第2のシートの上又は下に浮遊して見える、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記合成画像の一部分が前記第2のシートの上に浮遊して見え、前記合成画像の異なる一部分が前記第2のシートの下に浮遊して見える、請求項2に記載の方法。
請求項4
前記微小レンズの第1のアレイが前記第1の材料層とは別の層として形成される、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記構造領域の少なくとも1つが、前記マスターツールの平面より上方に少なくとも1マイクロメートル突出するか、又は前記マスターツールの平面より下方に少なくとも1マイクロメートル陥凹する寸法を有する、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記構造領域の少なくとも1つが、前記マスターツールの平面より上方に少なくとも4マイクロメートル突出するか、又は前記マスターツールの平面より下方に少なくとも4マイクロメートル陥凹する寸法を有する、請求項1に記載の方法。
請求項7
前記光重合性材料が、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露されることにより重合する、請求項1に記載の方法。
請求項8
前記複製された構造領域が少なくとも2つの部分的に完全な構造を含み、前記部分完全な構造のそれぞれが前記合成画像と共通する少なくとも1つの部分を有する、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記複数の構造領域に形状適合する物質が硬化性組成物である、請求項1に記載の方法。
請求項10
前記複数の構造領域に形状適合する物質が電気めっきされる金属である、請求項1に記載の方法。
請求項11
シートの上又は下に浮遊する合成画像を有するシートを形成するためのマスターツールであって、微小レンズの第1のアレイ、及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合した第1の材料層を有する第1のシートであって、光重合した材料が、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露されることにより重合する、第1のシートを有し、前記第1のシートが前記第1の材料層中に複数の重合した構造領域を有し、前記構造領域の少なくとも一部が他の構造領域の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、構造領域のそれぞれが前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる、マスターツール。
請求項12
微小レンズの前記第1のアレイのそれぞれが前記第1の材料層の位置に光を透過させる屈折面を有することによって、前記第1の材料層内に形成された前記構造領域から反射光又は透過光によって合成画像が生成され、前記合成画像が前記第1のシートの上又は下に浮遊して見える、請求項11に記載のマスターツール。
請求項13
前記合成画像の一部分が前記第2のシートの上に浮遊して見え、前記合成画像の異なる一部分が前記第1のシートの下に浮遊して見える、請求項12に記載のマスターツール。
請求項14
前記構造領域が少なくとも2つの部分的に完全な構造を含み、前記部分的に完全な構造のそれぞれが前記合成画像と共通する少なくとも1つの部分を有する、請求項12に記載のマスターツール。
請求項15
前記構造領域の少なくとも1つが、前記マスターツールの平面より上方に少なくとも1マイクロメートル突出するか、又は前記マスターツールの平面より下方に少なくとも1マイクロメートル陥凹する寸法を有する、請求項11に記載のマスターツール。
請求項16
前記構造領域の少なくとも1つが、前記マスターツールの平面より上方に少なくとも4マイクロメートル突出するか、又は前記マスターツールの平面より下方に少なくとも4マイクロメートル陥凹する寸法を有する、請求項11に記載のマスターツール。
請求項17
マスターツールを使用してシートを形成する方法であって、微小レンズの第1のアレイ及び前記微小レンズの第1のアレイに隣接した光重合性の第1の材料層を有する第1のシートを用意する工程であって、前記光重合性材料が、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露されることにより重合する、工程と、前記第1のシートを放射光源に曝露することによって前記第1の材料層中に複数の重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程であって、前記第1の構造領域の少なくとも一部が他の第1の構造領域の少なくとも一部を有し、第1の構造領域のそれぞれが前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられる、工程と、前記複数の第1の構造領域を、前記複数の構造領域に形状適合する物質を用いて複製することによって多数の複製された構造領域を有する第2の材料層を形成する工程と、を含む方法。
請求項18
前記第2の材料層を微小レンズの第2のアレイと関連付けることによって第2のシートを形成する工程を更に含み、個々の複製された構造領域が前記微小レンズの第2のアレイの個々の微小レンズと関連付けられ、前記微小レンズの第2のアレイのそれぞれが前記第2の材料層の位置に光を透過させる屈折面を有することによって、前記第2の材料層内に形成された前記複製された構造領域から反射光又は透過光によって合成画像が生成され、前記合成画像が前記第2のシートの上又は下に浮遊して見える、請求項17に記載の方法。
請求項19
前記合成画像の一部分が前記第2のシートの上に浮遊して見え、前記合成画像の異なる一部分が前記第2のシートの下に浮遊して見える、請求項18に記載の方法。
請求項20
前記複製された構造領域が、その内部に形成された少なくとも2つの部分的に完全な構造を有し、前記部分的に完全な構造のそれぞれが前記合成画像と共通する少なくとも1つの部分を有する、請求項18に記載の方法。
請求項21
前記微小レンズの第1のアレイのそれぞれが前記材料層の位置に光を透過させる屈折面を有することによって、前記第1の材料層内に形成された前記構造領域から反射光又は透過光によって合成画像が生成され、前記合成画像が前記第1のシートの上又は下に浮遊して見える、請求項17に記載の方法。
請求項22
マスターツールであって、複数の微小レンズの第1のアレイと、複数の構造の規則的なアレイと、を備え、各構造が前記微小レンズの1つと関連付けられ、前記構造の少なくとも一部が、他の構造の少なくとも一部と共通の部分形状を有し、前記構造間にほぼ平坦な領域が存在し、前記ほぼ平坦な領域内における形状物の高さの変化が100ナノメートル以下である、マスターツール。
請求項23
前記構造が前記マスターツールの平面の上に最大の構造高さを有し、前記ほぼ平坦な領域内には前記最大の構造高さの10%以上の高さを有する形状物が存在しない、請求項22に記載のマスターツール。
請求項24
可視又は赤外放射光を使用するフォトリソグラフィープロセスであって、微小レンズの第1のアレイ、及び前記微小レンズに隣接した光重合性の第1の材料層を用意する工程と、前記第1の材料層を、可視又は赤外放射光を含む放射光源に曝露する工程と、前記光重合性の第1の材料層を現像することによって前記第1の材料層中に複数の重合した第1の構造領域を有するマスターツールを形成する工程と、を含み、前記第1の構造領域の少なくとも一部が他の第1の構造領域の一部と共通の部分形状を有し、前記第1の構造領域のそれぞれが前記微小レンズの第1のアレイの1つと関連付けられ、前記複数の第1の構造領域の少なくとも1つの形状物の寸法が100ナノメートル以下である、フォトリソグラフィープロセス。
請求項25
前記光重合した材料が、2つ以上の光子が同時に吸収されるような条件に曝露されることにより重合し、前記複数の第1の構造領域の少なくとも1つの形状物の寸法が70ナノメートル以下である、請求項24に記載のフォトリソグラフィープロセス。
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